ニーブログ Written by Takashi Nii

【ビジネス雑学】中国企業の海外IPO規制強化の背景【VIEスキーム】

コラム 労働法・制度

こんにちは、転職エージェントの仁井です。

音声配信コラムを更新しました。

今回のテーマ

・中国企業の海外IPOが規制強化された背景
・私たちの日常生活にどのような影響が出そうか
不思議に思う人
不思議に思う人

・IPO、VIEスキーム、持株会社ってなに?
・なんでルールが追加されたの?
・企業が集めたデータはどうして世界の発展に役立つの?

ざっくり、こんな疑問を解決する記事になっています。

【音声配信】働楽chとは

転職エージェントが毎朝7時台にお届けする、キャリアエンターテイメント番組です。

働き方やキャリアのニュースを、人材業界の現場目線で紐解いていきます。

収録音源

よければ、聞き流しながら読み進めて下さい。

 

記事の信頼性


中国籍の方や、日本から中国駐在を希望する方の転職支援も経験しております。

予備知識も含めて、なるべくカンタンな解説を目指して書いていきますね。
それでは、早速見ていきましょう。

中国当局、海外IPOのルール厳格化へ【Bloomberg】

Bloombergは2021年7月11日、「中国、海外IPOルール厳格化へ-ほぼ全ての企業対象」という記事を掲載いたしました。

簡単に要点まとめ

こんなお話です。

  • 中国当局が、中国から海外上場を目指す企業に対しての規制強化
  • 企業が100万人を超えるユーザーのデータを保有していたら
  • 「サイバーセキュリティーに関する認可申請」が必要になるというルールを提案
  • 企業が独自に集めたデータや個人情報が「外国政府によって影響を受けたり、操作・悪用されたりする」恐れがあるためと中国政府は指摘。

ビジネス基礎知識:IPOと中国の外資参入

IPOとは、つまり上場のことです。

中国政府は自国のインターネット産業に対して、外資の参入を禁止しています。

このため本来であれば、中国企業はニューヨーク証券取引所に上場できません。

中国で新たにIPOルールを厳格化した背景

不思議に思う人
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どうして、新しいルールができたの?

中国当局が制限できない手法が新たにできました。

それを利用した中国企業が、近年相次いで海外上場を果たしています。(VIEスキーム)

法整備を追いつかせるために、中国当局は今回の規制強化に乗り出したものと思われます。

VIEスキームって何?

  1. 持株会社を海外に移して
  2. その会社を海外で上場させつつ
  3. 中国にあるビジネス本拠地に対して
  4. 子会社や契約という形で実質的な利益を得る

超ざっくりした説明ですが、こんなビジネススキームです。

Variable Interest Entities(変動持分事業体)

持株会社って何?

他の会社の株をたくさん抱えて、事業方針の決定権を握ったりできる会社のことです。

例えばGoogleはYoutubeを買収しています。
ではGoogleが親玉なのかというと、その上に「アルファベット社」という持株会社がいたりします。

中国企業がVIEスキームを利用する理由

中国で事業を拡大すると、通常は上場できません。

しかしVIEスキームを使えば、現行のルールを破らずに、当局が規制しているはずの海外上場が果たせます。

この際、中国企業としては「上場している海外の持株会社さんに契約上の利益を渡しているに過ぎないんです〜!」みたいなことが言えちゃうわけです。

VIEスキームの誕生背景

不思議に思う人
不思議に思う人

そもそも、どうしてVIEスキームが存在してるの?
はじめから作らなきゃ良かったのに。

元々は、粉飾決算が横行して、お金の動きが不透明になることを防ぐために生まれたスキームです。

粉飾決算がまかり通ると、不況に陥ったときにいきなり倒産したりして、株主が損をします。悪いことをできなくするための仕掛けでした。

中国企業としては、中国にいるままだとビジネスを拡大するための資本が手に入りづらいです。

どうにかして海外上場するために見つけた術が、VIEの活用だったという訳ですね。

中国の人口は約14億人

収集したデータや個人情報の活用は世界の発展に役立つと考えられます。

海外市場での上場自体は「海外全体からすると嫌なことではない」という感じです。

しかし、中国政府としては「やはりデータを勝手に使われるのはNGだ!」ということで、今回新たにルールを提案している様子が窺えます。

企業が集めたデータは世界の発展に役立つ

不思議に思う人
不思議に思う人

企業が集めたデータは、どうして世界の発展に役立つの?

こんなお話に触れていきます。

タクシー配車アプリDidi(滴滴出行)

例えば、先日タクシー配車アプリを運営するDidi社がニューヨーク証券取引所に上場しました。

しかし上場の2日後に中国当局から捜査が入り、翌週にはDidiのアプリが配信停止となりました。

日本進出もしている(DiDiモビリティジャパン)

Didi社は日本にも運営会社があります。(DiDiモビリティジャパン)

ソフトバンクグループが出資しています。

オレンジ色のアプリで、私もこのアプリでタクシーの配車で利用したことがあります。

DiDiが集められるデータ

  • どんな人が、いつ、どこからどこに移動しているのか(事実)
  • いつどこで、どのくらいの交通量になるのか(予測)

こんなデータが集められます。

データを活用すると…

自動運転や交通量データの予測技術に役立ちます。

例)
・人間が車を運転するときにハンドルを握らなくても勝手に目的地に着く
・タクシーが急病人の元に最速で駆けつけて、最速でオペができる病院に連れていくことができる

実際、一部のデータは技術提供していることをDidi社は発表しています。

海外IPOが規制されるということは、こうした世界の技術発展に遅れが出るかも…と言えます。

中国の共産主義とは

「基本的に、財産はみんなで共有しましょう」というスタンスです。

このため、中国企業の利益は国のものと言えます。

資本主義の日本に比べると、政府が企業に対して指摘したりお金を没収したりということを行いやすくあります。一長一短ですね…。

実は中国企業の海外IPO規制は、私たち日本人の将来の生活に大きく影響が出るかもしれませんね〜というお話でした。

収録音源

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